2007年05月01日

換気について

こんな現場がありました。

「とにかく家が湿っぽくてかび臭い。窓にも結露がすごいんです…」
ということなので伺ってみました。
行ってびっくり、窓は樹脂サッシのペアガラスにもかかわらず水滴が滴り落ち、部屋の中はなんとなくかび臭い。
早速調査。

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案の定、2階北側の物入れの壁には黒くカビが生えている。

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屋根裏にもカビと結露を確認。

こちらのお宅は築6年の中古住宅を現在の家主様が3年前に購入されました。
どうも換気が怪しいのでは…?

現在の換気状況は熱交換式の換気扇が居間と2階洋室に計2台、「どちらも変な音がして壊れているようなので…」と家主様はどうも稼動させていなかったようだ。
その他1階と2階のトイレにセンサー付、ユニットバス、キッチンに排気のみの換気扇がそれぞれ設置。
そしてこのトイレの換気扇の近くに手を近づけてみたところ、なんと手に風が吹き付けてきたではありませんか!
そうです。換気扇をつけていたつもりが、全く換気されていなかったのです。
いったいなぜなのでしょう?

以前天井換気扇で同じような現象があった現場がありました。「部屋で焼肉ができない…」と。
調べてみたら換気扇内部の逆風止め用のダンパーを内外逆につけていたため、外からの冷気を積極的に入れ、排気はただひたすら逆流してくるという驚くべき現場に遭遇したことがありました。

今回は換気扇フードに付いている防虫用の網が原因でした。

換気扇排気の場合、網付きフードにすると目詰まりしてふさがれてしまい排気できなくなります。そのため網なしフードにして、換気扇をフィルター付きにするのです(この場合フィルターをまめに掃除しなければなりません)。

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問題のフード。ステンレス製なのにサビている。軒天換気口もサビている。

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フードをはずすと、ごらんの通り。

したがってこちらのお宅では、ほぼ換気されておらず、逃げ場を失った湿気が天井裏等ありとあらゆる隙間へ侵入し、屋根裏や窓、壁の冷たい部分で飽和状態になった湿気が結露を起こし、ついにはカビが生え、ステンレス製のフードや軒天換気口までも腐らせてしまったのです。

平成15年7月に建築基準法のシックハウス対策のひとつとして、ほとんどの住宅及びマンションで常時(24時間)換気が義務付けられました。
換気により汚染物質の排出や除湿をし、気密化する住宅の人体はもちろん建物にも悪影響を与える原因を、計画的に排除しようという目的で施行されました。

よって現在では、常時排気する換気扇が設置され(換気方法は各種ありますが)その場合フードに網なしを使用しても基本的には虫は入ってこないのです。

こちらの建物はちょうどこの法改正の直前に建てられたものなので、気密化はされているけれども熱交換やセンサー付の当時のごく普通の局所的な換気計画によるものでした。
それでも稼動していれば問題はなかったのですが、如何せん中古物件のため仲介者の説明がなければ換気に対する重要性も分からないまま暮らしてしまうという非常に恐ろしい事態になってしまうのです。

結局現在の熱交換式の換気扇を廃止し、自然給気機械排気の第3種換気方式で換気計画をたて施工させていただきました。

ついでに小屋裏の換気不足も考えられたため換気口設置により解消いたしました。
現在は冬場でだいたい40~50%の湿度を保ち、快適に過ごされています。

投稿者 gnomes : 2007年05月01日 14:44